Space design
人と光の関係は深く、太陽神をはじめ月や星の光にも畏敬の念を抱き、虹は希望の証として捉えられてきました。
ステンドグラスは中世のヨーロッパで、教会建築と共に生まれ、発展してきました。
神の館としての教会には必要不可欠な神秘性が有り、理解しやすい芸術の一つでした。
この事業を始めた時からの課題であり、会社である以上は利益を追求する義務がありますが、芸術家としての義務も同時に果たさなければならないと考えます。
現代の「光の芸術」といえば、夜間のLEDでのライティングやプロジェクションマッピングなどがあります。
しかし、自然光を使用したダイナミックな光の芸術が楽しめる機会、施設は少なく、現代の人々からは忘れられつつあります。
その責任は私たちステンドグラス作家にあると考えております。
建築業界の第一線から退き20年がたちます。
バブル崩壊後、建築素材としてステンドグラスは派手なイメージがあり公共建築物で使用される機会がなくなりました。
バブル期に制作された作品の中でも時代を超えて残る名作が作られなかった事や、効果的な演出を行った作品も少なく、魅力的な建築素材として現代の建築家たちの目にとまらなかったのかもしれません。
私は現代のステンドグラス作家として、宗教ではなく、過去の遺物でもなく、今の時代だからこそできる芸術表現として、自然が持つ光本来の優しさ、全てを照らし包みこむ心地よさでアートな空間を創造し、可能性に満ちた新たなステンドグラスの形をご提案いたします。